歯科Q&Aとイベントのご案内

第13話 妊娠期の歯の大切さについて

(一社)一般社団法人 十勝歯科医師会が皆様の口腔健康をお守りします。

お口の健康は全身の健康に密接に結びついてます。そしてお口の健康維持には、お母さんのお腹の中にいるときから、高齢になっても、あるいは障がいを持つ方も、生涯にわたりケアが必用です。今日から10回にわたり幅広く口腔ケアに必用な事項を(一社)一般社団法人 十勝歯科医師会が行っている事業と共にご紹介します。

妊娠中は歯医者に行けないは間違い!?

妊娠中は、とかく歯科にかかるのを遠慮しがちです。しかし、マタニティの歯のケアは胎児の健康に直結しています。自分に合った歯科医を見つけて、不安なことは何でも相談してみると良いです。基本的には妊娠初期はできるだけ応急処置にとどめて、本格的な治療は安定期に入ってからにしましょう。また、妊娠中であることを必ず歯科医師に告げましょう。薬の服用は歯科医師の指示に従い、自分の判断で薬の量を調整したり、市販の痛み止めを服用するのはやめましょう。

歯周病に注意! 早産の危険性が!?

「歯周病」といえば、口の中だけの病気と思い込んでいませんか?近年、歯周病と全身の健康との関連が注目され、さまざまな病気が歯周病の影響を受けています。疫学調査では歯周病の妊婦は、そうでない妊婦に比べ約5倍も早産になりやすく、低体重児出産の危険があるという驚くべき結果が出ています。実際に、「つわり」の時は、ものを食べるのも歯ブラシを口に入れるのもつらいものです。またこの時期は、いわゆるちょこちょこ食いが多くなり、口の中が中性に戻る前にまた酸の数値が上がってしまうということを繰り返します。これによって、口の中は常に虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすい状況になります。そのため、つわりが強い場合、歯磨き粉は匂いや刺激の少ないものに変える、歯ブラシも子供用の小さなヘッドにするなど、すこしでも楽な気持ちでブラッシングできるようにしましょう。

赤ちゃんのむし歯の原因は親のむし歯?

むし歯はミュータンス菌という細菌の感染によって引き起こされる、一種の感染症です。生まれたばかりの赤ちゃんにはもともとミュータンス菌はありません。実は、お父さんやお母さんなど、身のまわりの人によってミュータンス菌を感染させてしまい、虫歯の原因を作ってしまうのです。赤ちゃんにミュータンス菌を感染させないためにも、両親がまず歯をきちんとケアする、口の中を清潔に保つことが大切です。社会福祉の先進国であるスウェーデンでは、生まれてから20歳までの間は、半年に一度歯のクリーニングとチェックを義務づけられています。そのため就学児童でむし歯になっている子はほとんどゼロに近いそうです。赤ちゃんがむし歯と縁のない生活を送るためには、定期的なチェックは必要不可欠です。赤ちゃんのときから「かかりつけ歯科医」を持って、半年に1回はプロフェッショナルによるアドバイイスを受けるようにしましょう。
(一般社団法人 十勝歯科医師会口腔機能研究会)

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