いびきは身体が発する

Q)『いびき』って、寝ている時にする、あの『いびき』の事ですね。

A)あの『いびき』についてのお話しです。『いびきは身体が発する危険信号』と言われているのを知っていますか。

Q)そうなんですか。確かに、いびきや歯ぎしりは他人に迷惑をかける代名詞の様な言われ方をされていますが、しかし、いびきをかいていると一見熟睡しているように見ますよ

A)一時的な軽いいびき程度であればそれほど問題にはならないと思いますが、毎晩、いびきをかいたり「呼吸が止まっている」などという時は、呼吸が抑制され、眠りが浅く、ほとんどが睡眠不足に陥っているので特に注意が必要です。

Q)『いびき』がどのように発生するのか、簡単に教えて下さい。

A)簡単に言えば、『睡眠中に空気の通り道(気道)が塞がって空気の通りが悪くなり、いびきが発生します』、少し難しい言い方をすると、『空気が通る時に発生する粘膜の振動音』です。

Q)原因はなんですか。

A)色々な原因があります。第1に肥満です。
いびきは体重が増えるに連れ、顎の周り、首周り、喉や舌も太くなり、その結果気道が上下左右から圧迫され気道が狭くなりいびきの発生につながります。
そして2番目にお酒です。 
体内にお酒が入ると、気道内がうっ血し粘膜が膨張します。鼻が詰まった感じになるわけです。また舌や咽頭の筋肉の緊張がなくなり気道が狭くなりいびきの発生につながります。
第3はお薬
  筋弛緩薬、睡眠薬、精神安定剤などを飲んで寝ると、舌や咽頭の筋肉の緊張がなくなり気道が狭くなりいびきの発生につながります。
第4は鼻の病気
鼻づまり、 アデノイド、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などは鼻の通りが悪くなりがちで、粘膜の抵抗が大きくなりいびきの発生につながります。
第5は咽頭扁桃部の異常
咽頭扁桃、口蓋垂(のどちんこ)の炎症や肥大により気道が狭くなり、いびきの発生につながります。顎(あご)の形や年齢も原因になります。
顎が小さい(細い)と、舌が顎に収まりきれず気道側に落ち込みやすくなり、その結果気道が狭くなりいびきを発生します。最近は食生活の変化などで小顔の女性が増えていることからいびきの発生になることもあります。
年齢により、筋力の低下すると、張りが無くなり舌や顎周囲の重さを支えられず、結果として気道が狭くなり、いびきへと移行することがあります。
(人間の筋力は個人差がありますが、約30才でピークを迎え、45才位までは緩やかに低下します。その後徐々に加速し、60才前後になると急速に筋力の低下が始まります)

Q)つまり肥満やお酒などが原因で、空気の通る道が狭くなっていびきが発生するのですね。始めに危険信号と言われましたが、いびきは、副作用と言うか、弊害が大きいんですね。

A)当然、いびきをかくと、家族や同僚からは「うるさくて眠れない」「寝る部屋を別にして」など、騒音を指摘されてます。そんな家族の不満を知らずに、本人は高枕です。まれに自分のいびきの音で目が覚めることがありますが、いびき=睡眠障害(病気)を疑う人は少ないと思います。本人は、いびきにより、呼吸が抑制されているので、熟睡できず、日中眠い、集中力や記憶力が低下し、精神不安定でイライラしたりするようになります。さらにここが問題です。時に「呼吸が止まっている」ことがあります。これを睡眠時無呼吸症候群と言いますが、こうなると大変です。

「睡眠時無呼吸症候群」、SASと略しますが、文字通り、寝ている間に無呼吸になり、このまま呼吸が出来なければでは生命にとってまさに危険です。この睡眠時無呼吸症候群になると、十分な酸素が得られず酸欠状態となり、とくに起床時には慢性的酸素欠乏による頭痛が起こる事があります。重症の場合、肺高血圧症や心不全などの症状が出ることもあります

Q)この位は大丈夫、これだと睡眠時無呼吸症候群に入る、と言うの目安というのはあるんですか。

A)「一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこるか、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上の場合。」とされています。重度の症例では呼吸困難になり死を招くなど生存率が低下します。

Q)実際に呼吸を止めてみると辛いことがわかりますよね。

A)『無呼吸症候群が重度に進むと生存率が低くなる』と言う報告があります。厚生省の調査では、睡眠1時間あたりの無呼吸数が20回以上おこる場合、5年生存は84%(死亡率は16%)と報告しています。8年では更に下がって60%という報告もされています。つまり、無呼吸で心肺機能に多大な負担がかかったり、脳の酸欠を招いて、脳梗塞、心筋梗塞を起こします。睡眠中や朝方に死亡する例が多いとされています。

Q)いびき防止対策なんて言うのはあるんですか。

A)大きく日常で割と簡単に出来るものと歯科治療とがあります。

Q)いびきを歯医者さんで治療して頂けるんですか。

A)でもその前に、ご家庭で簡単に出来るものをお教えします。

比較的軽度のいびきの場合は家庭でのちょっとした工夫や日常生活の改善で治ることもあります。例えば横向きに眠る、枕を低くする、アルコールを控える、減量・ダイエットする、睡眠薬や筋弛緩薬をやめる点鼻薬を使うなどがあります。

Q)これ位なら、今晩からできそうですね。でも、禁酒が少しつらいかな。

A)深酒をしなければいいんです。では次に、歯科医院での治療法です。

1.鼻マスク
ゴムマスクを鼻に装着し、た空気を鼻から気道に送り込みます。効果が高く睡眠時無呼吸症候群の治療として用いられ、症状は翌日より大幅に改善されるため、熟睡出来るようになります。しかし、これは少し寝苦しいですかね。また、喉が渇いたりしますね。

Q)【マウスピース】、これが一般的です。

A)この方法は身体に負担をかけない新しい治療法として、いびきと比較的軽い無呼吸症候群(軽度~中度)に用いられています。通常のマウスピースとは異なり、上下の歯にはめ込むことで下顎を持ち上げることができ、いびき、無呼吸の原因となる舌の落ち込みや気道の圧迫を防止することができます。身体の負担が少なく、小型のポケットサイズで持ち旅行などに運べます。

各個人上下噛み合わせと顎の状態に合わせアクリル樹脂で作成します。初回の検査で良好と判断した方のみ作成可能です。効果、有効率は90%と言われています。

いびきは、時として命を脅かす場合もあります。たかがいびきと思わないで、ご家庭の平和のために、いびきでお悩みの方は、医師、又は歯科医師の診断を受けてください。

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