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矯正歯科について


Q)今回は歯並びの治療、矯正歯科ついてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。先生、矯正治療とは、まずはどんなことをするのでしょうか?

A)はい。言葉は最近よく耳にするのではないでしょうか?矯正歯科とは、矯正装置によりアゴの骨の成長発育をコントロールしたり、歯を動かしたりすることで、正しくない歯並びやかみ合わせである不正咬合(ふせいこうごう)を改善する歯科医療の一分野です。
現在では不正咬合によって全身に様々な障害がおきてくる事がわかってきており、学校歯科検診の項目の一つにも不正咬合が追加されるようになりました。

Q)そうですか。それは重要なことですね?
それでは不正咬合とはどんな咬み合わせをいうのでしょうか 。

A)はい。不正咬合はかみ合わせの異常と歯並びの異常の二つに分類されます。通常は、それらのうちの幾つかが合併した形で起こっている場合が多くみられます。
主な不正咬合をあげるとかみ合わせの異常には
反対咬合(はんたいこうごう):受け口
上顎前突(じょうがくぜんとつ):出っ歯
開咬(かいこう):前歯がかみ合わない 
が、あります。 また、歯並びの異常には
叢生(そうせい):乱ぐい歯、八重歯
正中離開(せいちゅうりかい):すきっ歯
などがあげられるでしょう。

Q)はぁ、かなりの数がありますね?でも、どうして不正咬合を直した方がよいのですか? (不正咬合の障害)

A)はい。不正咬合によるデメリット(障害)は審美的障害と生理的障害の二つに分けられます。 まず矯正治療を希望する患者さんの80%以上の方は審美的障害、つまり、見た目が気になることを訴えて来院します。 たとえば、「歯並びがデコボコ」、「八重歯が見える」、「アゴが出ている」、「口びるが出ている」、 「口が曲がっている」、「顔が曲がっている」などがあります。年齢が進むにつれ人の目を気にするようになり、 「恥ずかしい」、「大声で笑えない」などのストレスを抱えてしまうことや、 控え目・劣等感・消極的など性格形成への影響が生じることがあります。

Q)様々な悩みを抱えていらっしゃる方がいますよね?

A)そうですね、中には『「歯並びが悪いので・・・」症候群』と呼ばれるものがあり、 「歯並びが悪いので仕事がうまくいかない」、「かみ合わせが悪いので歩けない」などを訴えることがあります。心の問題による場合が多く、このような場合には本当の原因を見極めることが大切になります。

生理的障害としてあげられるのは?

はい、むし歯、歯肉炎、歯周病になりやすいことです。 原因としては、歯ブラシが届きづらい、口呼吸(口で息をする)をすることでしょうか。
また、前歯で食べ物をかみ切れない、奥歯でよくかめない、食べ物が歯の間にはさまる、食べ物や飲み物が飲みこみづらい、話しづらい、特にサ行、パ行など発音しずらい、口びるが閉じづらい、上口びるが八重歯にひっかかる、口びるや頬を噛むことなどがあります。

Q)また、たくさんの障害が起こるのですね?

A)そうですよ。また、不正咬合と全身の健康との関連については、 口は全身の健康を維持させるための呼吸、咀しゃく(食べる)、えん下(飲む)、発音などの重要な役割を担っている大切な器官です。 そのため、不正咬合を改善することによって、口のさまざまな機能をより良い方向へ導くことが全身の健康の維持や増進に働くことになります。

本当にそうですよね?先生、そもそも、どうして不正咬合になるのでしょうか?

A)はい。不正咬合は生まれつき、あるいは生まれた後のなさまざまな疾患や、遺伝的あるいは環境的な要因で、上アゴや下アゴの成長発育のアンバランス、歯の形、本数、生え方、口の中の軟組織、指しゃぶりや舌を前に突き出すといった癖などに影響し、さまざまな不正咬合が引き起こされ、悪化します。

その一つはというと?

A)はい、一つは成長期の少年少女期から治療にはいるもので、 利点としては顔面やアゴの骨の成長を利用できること、乳歯から永久歯への交換を利用できること、 などがあります。 そして、欠点としては本人の自覚が低い(協力度が低い)、プラークコントロールが難しい、治療期間が長い、顎の骨の成長の予測を誤ると治療のやり直しが必要になることもあります。

Q)二つ目は?

A)はい。二つ目は思春期後半からの矯正治療を開始するもので、 利点としては本人の自覚が高い(協力度が高い)、プラークコントロールが容易、 顎の骨の成長が終了しており、無駄な治療を避けられること。 そして、欠点としては社会生活(仕事、結婚、転居、妊娠など)との関わりが複雑で、 むし歯や抜けた歯があったり、また歯周病、顎関節症、などによる制限ができる場合もあります。また、治療時期が遅いと外科的矯正治療が必要になったり、歯の移動速度が遅い場合があります。

Q)それでは、矯正治療の流れについて教えてください。

A)はい。矯正治療を希望して歯科医院を来院する場合、 まずは「矯正相談」として、どのような不便や治療の希望があるのか、矯正治療が適切か、 治療の開始時期はいつからが良いのか、 治療の内容や治療期間・治療費はおおよそどのようなものか、などを相談します。 その結果、治療を承諾された場合は

矯正検査

不正咬合の診断と治療計画の説明

動的治療(アゴや歯の成長のコントロール、歯の移動)

保定(あと戻りの防止)
矯正相談を受ける時期としては、前歯が永久歯へ交換する7~8才以降に受けることが望ましいと思います。なぜなら、不正咬合の多くはアゴや歯の成長発育が原因で生じているため、その時点で不正咬合が自然に改善されていくのか、逆に進んでいくのかの予測が可能になるからです。

Q)治療期間はどのくらいかかりますか?

A)はい。治療の種類とその内容によって数ヶ月から数年におよぶ場合があります。
一般に矯正治療が長期間になる理由には、
1.アゴの骨の成長時期。
2.乳歯から永久歯への交換。
3.歯が動く早さがゆっくりであること。
4.歯を移動したあとには「あと戻り」という反応が必ず起きるので、それを防ぐ期間が必要になる
などがあります。

Q)治療はいつでも出来るわけでもないのですね?それでは、矯正治療にともなう負担について簡単におしえてください。

A)肉体的負担としては装置をつけたあと2,3日、歯に痛みが出ることがあったり、 話しづらくなることもありますが順応してくるようです。
その他、精神的にも時間的にもある程度の負担はあるでしょう。

Q)メンタルな部分でも、負担は大きいですよね?

A)そうですね。また、経済的負担は避けられず、「高額な治療費」とのイメージが定着しています。 それは矯正治療の多くが100%患者負担による保険外診療であるからです。 しかし、矯正治療の期間、そして治療によってさまざまな障害が改善されることによる 身体的・心理的影響を考えると、人の一生の中で自分に投資する医療費としてはけっして高額なものではないと考えられます。

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