第5話 唾液が「がん」を予防

21世紀は積極的な健康増進、より総合的な健康を目指す時代と考え『口腔機能と全身』をテーマにしました。
(一社)一般社団法人 十勝歯科医師会 口腔機能研究会

分泌液で有害な酸素除去

1971年から、日本人の主要な死因の第一位は、がんが占めています。 がんの60~70%は食生活と喫煙が原因であるといわれています。 食品に含まれる添加物、農薬、たばこの成分には多くの発がん物質が 含まれており、これらが体内に入ると多量の活性酸素を発生させます。
活性酸素は生体で最も大切な遺伝子(DNA)を傷つけ、がんをはじめ様々な成人病を引き起こしたり、アレルギーや老化の原因となります。

同志社大学の西岡一教授は、発がん物質が口の中にはいるとどうなるかを 調べる為に、いろいろな発がん物質に唾液を混ぜる実験を行ったところ、驚くべき効果が確認されました。発がん物質の毒性は、人の唾液に三十秒 間つけるだけでほとんど消失してしまうことが分かったのです。

また、唾液中のどのような成分が、発がん物質の毒性を消去するのかを 調べた結果、唾液中に含まれている酵素のペルオキシダーゼとカタラーゼが 、発がん物質の毒性を消していること。さらにペルオキシダーゼとカタラーゼの いずれにも、有害な活性酸素を除去する強い働きがある事が分かりました。
唾液は健康な人で一日に1~1.5リットルくらい分泌されていますが、よくかんで唾液腺を刺激することで、唾液の分泌量は十倍くらいに増えます。
さらに、すっぱい食物に刺激されて出る唾液は、分泌量そして含まれる ペルオキシダーゼ、カタラーゼの量ともに自然に出る唾液の数倍に達します。
食品の中では梅干しが最も優れ、多量に唾液を分泌させるそうです。
ただ高齢になるとその分泌量が減少する傾向にありますので、より多くかむ必要が あります。唾液はよくかむと多量に分泌されます。ここでいうよくかむという意味は 「かむ時間の長さ」にあります。「ひと口三十回」三十秒間たっぷり唾液を出してかむと 、豊富なペルオキシダーゼやカタラーゼが働き、直接活性酸素を消し、発がん物質の毒性が弱まります。この効果により、がん予防が期待できるわけです

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