第10話 腰痛、肩凝りとかみ合わせ

21世紀は積極的な健康増進、より総合的な健康を目指す時代と考え『口腔機能と全身』をテーマにしました。
(一社)一般社団法人 十勝歯科医師会 口腔機能研究会

歯牙疾患防止が最良の方法

人間は直立二足歩行という進化をとげましたが、それは同時に上半身を支える腰椎(ようつい)と重い頭(大人で10kg)を支える頚椎(けいつい)に、多大な負担を強いることになりました。本来四本の足で支えるはずが、二本足になったのに加え、腰や頭は重心線の直線上にのり、さらに位置が高くなったために不安定さを増したのです。

重い頭は類推を支点として上にのっていますが、頭の重心は頚椎より前方に位置しています。そのため、頭が前に倒れないように僧坊筋(そうぽうきん)や胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)をはじめとした後頸筋群がたえず緊張しています。

また、背骨は安定を保つため、S字状に湾曲しています。
下顎骨(下あご)は頭がい骨にぶら下がっており、唯一可動するところです。その動きは頭の重心の位置を左右、前後に変化させますので、頭を重力に調和させるためには下あごのバランスが最も大事になります。下あごの位置のほんの少しのずれは、通常時でも絶えず緊張している後頚筋群にとっては想像以上のストレスとなるのです。
さらに、異常な筋肉の収縮は頭椎を圧迫したり、ねじれや変位を起こします。

筋肉に与えるるストレスは筋肉の慢性疲労を起こします。また頚椎の変位は脊髄(せきずい)を走る神経や血管を圧迫し、神経への異常刺激や血流の悪化を起こします。これらの結果、頭痛、肩こり、手足のしびれ、腰痛は言うに及ばず、自律神経失調症、頚腕症候群など、いろいろな症状の原因になります。

これらの症状を起こさないためには、バランスの良いかみ合わせを持つことです。さらに左右均等にかむことも重要です。口腔(こうくう)内で歯牙(しが)の位置を決める主な要件としては、遺伝的な要素をはじめ、あごの骨の状態、ほおや口唇、舌の筋力、そして子供のころからよくかむかどうかが挙げられます。当然、よくかんで、良いかみ合わせになることが非常に大切です。よくかむというのは、かむ回数と力が重要です。歯牙の欠如はもちろん、虫歯や歯周病も、かみ合わせのバランスを大きく狂わせる原因になります。ですからよくかんで、適切に口腔内を清掃し、歯牙疾患にかからないようにすることが、肩こりや腰痛を起こさない、まずは最良の方法と言えるでしょう。
 (一般社団法人 十勝歯科医師会口腔機能研究会)

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